化学専攻 大須賀篤弘教授が令和元年の春の叙勲において紫綬褒章を受章されることが決定しました。

 

大須賀教授は、ポルフィリンを基本骨格として、多くの構造的・電子的に新規な有機化合物を合成し、その化学的意義を明らかにしてきました。代表的な分子として、光合成反応中心で進行する電荷分離と同じ形式で電荷分離を行うモデル分子、単分散で世界最長のメゾ-メゾ結合ポルフィリン多量体、非常に小さなHOMO-LUMOギャップをもつ完全共役ポルフィリンテープ、メビウス芳香族性分子を含む一連の環拡張ポルフィリン、環縮小ポルフィリンであるサブポルフィリン、安定ポルフィリンラジカルなどが挙げられます。特に、メビウス芳香族および反芳香族環拡張ポルフィリンはトポロジーと物性の新しい関係を示し、長年の理論予想を見事に具現化した分子であり、国際的に大きな反響を呼びました。

 

これらの研究成果が世界中の研究者に与えた影響は極めて大きく、大須賀教授はこの分野の国際的なパイオニアとして広く認知されています。

また、こうした研究を通して、国内外の大学院生や博士研究員や若手研究者の教育に力を注ぎ、次世代研究者の育成にも多大な貢献をしました。

 

このように長年の構造有機化学分野の発展に寄与された功績が評価され、紫綬褒章を受章されることとなりました。

 

褒章伝達式は、2019年5月30日(木)に東京で行われます。

 

紫綬褒章受章者一覧 (京都大学関係分)
http://www.kyoto-u.ac.jp/about/history/honor/award_b/purple_ribbon.html